後日談


「は〜…」


ソファーの上で骸様がうっとりとした顔で溜め息をつく。

その膝の上には先日ボンゴレが持ってきた大きな二匹のぬいぐるみが乗っている。


「可愛い…」


手の中の携帯に見入り骸様はそうひとりごちた。

この方は一度トリップしてしまうとなかなか戻ってこない。とてもでないが犬やクロームには見せられない姿だ。


「クフフ…小動物とは何故にこんなにも愛くるしいのでしょうか。」


骸様は愛らしいものに目がない。

以前からその傾向はあったがボンゴレに浄化されてからと言うものそれが如実に現れている。

ウサギにハムスターといった小動物は勿論、キャラクターにも弱い。

最近はクロームにかこつけていろいろと買い込んでいるようだ。

クロームも感性が同じようなので文句を言わずに受け入れている。

そんな骸様の目下のお気に入りはカピバラとボンゴレのコラボだったりする。


「千種…いい仕事をしますね。この怯えた感じがまた兎を連想させて…クフ。」

「ありがとうございます。」

「ああ、それにしても惜しかった。千種の背中に張り付いて泣きそうなボンゴレも愛くるしくて仕方なかったのに。」

「流石に背後は撮れません。」

「分かっています。言ってみただけです。」


クフ〜と上機嫌な主。ちょっと前では考えられなかった幸せそうな笑み。

長いこと人間らしい感情を現すこの方を見ていなかったのでボンゴレがいると少し、俺も楽しい。



出来るなら。

いつか貴方が写真にその姿を残せる時が来ないだろうか。

ボンゴレと同じ空間で。今の笑顔で。

囚人ではなくマフィアではなくただの思い出として。



欲張るなら、そこに俺も居たい。









END




…まだ骸のキャラが(以下略) この頃から千種はお気に入りだったんだな、私。