綱吉VS骸
〜神が宿る木により〜 ――体が軽い。 地を蹴ればふわりと軽やかに体が浮き上がる。 体と一緒に広がる赤い蝶の柄。 夜がこんなにわくわくするものだったなんて! もう一度土を蹴り桜の枝にまで飛び上がる。 「ん?なあに?」 ひらひらと舞い飛ぶ蝶々。 案内するかのような動き。付いて来いってことかな? 蝶々の行く先は分かってる。 きっと、あそこだ。自由に動けないあの人の為に、俺はあれを取りに行かなくちゃ。 「綱吉くん。」 ひょいひょい跳ね回っていると、誰かが俺の前に立ちはだかる。 「綱吉くん。」 「…なんだ、骸かぁ。」 誰か邪魔しに来たのかと思っちゃった。 抜いていた脇差を元に戻す。間違って、切っちゃうとこだった。 「骸、怖い顔。そんな顔しちゃ駄目。あの人は笑ってる顔が好き。」 「これは僕の体です。どんな顔をしようと自由です。」 「………」 それもそっか! 骸はどんな顔してても骸だもんね。 軽く屋根を蹴るとふわりと体が浮き上がる。 うん、楽しい。 くすくす笑ってると骸のおでこの皺が深くなる。 「綱吉くん…君は一体どうしてしまったんですか。」 「どうもしないよ〜?骸ったら変なの。」 くるくると空中で回る。 いつも笑ってる骸が怖い顔してる。おかしいったら! 「では、どこへ行くつもりなんですか?」 「さて、どこでしょう?」 「……跳ね馬か…雲雀のところでしょうか。」 「だったらどうするの?」 「……行かせませんよ。」 骸の手に三つ叉の槍が現れる。 …本気なんだ。 俺は屋根に降り立つと脇差を抜き放つ。 「邪魔、するんだぁ?」 「協力者を消されては困ります。」 「ふうん?」 じやあ、骸も壊さなきゃ…ね。 (本文より) 掲示板でこのイラストを見て頭の中で妖精さんが告げた。 「捕マエチャエ〜!捕マエチャエ〜!」と!!! というわけでロックオンしてました。 蝶だけ赤いとかなんて乙な趣向であるか!!
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