櫻居の末裔
〜神が宿る木により〜




「ひばり、さん?」

猫のように小首を傾げる綱吉。
唯一自由になる瞼を閉じて答える意志が無いことを示す。
すると頬に触れていた手がまた降りてきて…

「!」

思わず目を開いた。
綱吉の両の手が僕の首にかかる。
表情の抜け落ちた能面のような顔で、じっと見つめてくる。
じわじわと…当に真綿に首を絞められる、その表現そのままの緩さで手に力が籠もる。

「返して。あれが無いと…あれじゃないと。」

気道が狭まる。息が苦しくなってきた。

まただ。
また、あの眼。
夜闇に桜を溶かしたような不可思議な色。明らかに正気じゃない…!
腕に力を込める。ほんの僅かだけど動いた気がする。でも持ち上げるまでには至らない。
そうしてる間にも首を絞める手の力は増していくばかり。

(中略)

こちらを凝視していた綱吉が急に興味を失ったように顔を背けて目を閉じる。

「一体どういうつもりなのか」
「雲雀さん。」
「…なに。」
「なんで守護者断るんですか。」

綱吉が瞼を開く。いつもの瑪瑙の瞳。
…正気に戻ったのだろうか?口調もいつもと変わらない、ように思える。
けれど、本能か、勘か。僕の中の何かが警鐘を鳴らしている。
不利な体勢だというのにこの平然とした態度もおかしい。

「そんなことは許さない。」
「…君の許可なんているのかい?」

完全に抑えられた綱吉はそれでも薄ら笑いを浮かべたままだ。
気味が悪いよ…

「並盛は僕の領域だ。」
「…そう思いたければご自由に。」

一瞬目が合う。綱吉の目はまたあの闇と桜の色に戻っていた。



(本文より)

一回目「色が荒くないかい?ひらさんの本気はこんなもんじゃないでしょ〜?」
二回目「目の色がちがう!!!『桜に闇を溶かした』ような色なんだよ!」
という鬼のダメだしをして完成させてもらいましたvv
「それどんな色?!」と泣かれましたがまあそこはほらひらさんの腕の見せ所v
おかげで理想の色になりましたよ〜う!!