『恭哉』VSツナ+α
〜鬼の鏡より〜





ゆっくりと振り返る。
水道の流し場に腰掛ける『恭弥』。手の中で鏡をくるくる回して遊んでいる。

「言ったはずだよ、無駄だって。どこに逃げても君の居場所はすぐに分かる。」

呑気に欠伸をしているブレザー姿の『恭弥』を伺い見る。ああしていると雲雀さんにしか見えない。
俺たちが鏡を探してた理由なんて分かってる筈…それをあっさり返すってことは、余裕綽々なんだ…

「いいの?」
「え…」

組んだ足に肘を突き、『恭弥』はニヤニヤと俺を指差す。

「逃げなくていいの?もう殺していい?」
「そんなの…っ!」
「じゃあ早く逃げなよ。折角だから最後の鬼ごっこをしようよ。」
「…最後…」
「うん。30秒待ってあげる。ぐずぐずしてると次の悪霊が来るよ。」
「…っ!」

愉しげな『恭弥』を睨んで立ち上がる。俺が足掻いてるのがそんなに面白いのか…性格悪い。
…………………………雲雀さんもだけど。

「やる気になった?じゃ、始めるよ。」
「1、2…」とカウントが始まる。



(本文より)

またネタバレが大量に!!(笑)
携帯の挿絵に使用していますがどこに貼ればいいのかかなり悩みましたよ…もう!りつさんめ!
これは一枚目と比較すると面白いです。 いつもいつも、本当に細部まで読み込んでくださっているんだなぁ、とうれしくなります。