暗黒組曲!?






「ふ〜ん。面白いねぇ。」

「なかなかでしょう。千種が見ていたんですが。」

「保存とか出来ないの?」

「ソフトをダウンロードすれば…」


俺は骸の入れてくれた煎茶を啜りながらぼ〜っと二人を眺めている。

今日は応接室でお茶会とのことで三人で菓子やら何やらを持ち寄っていた。

普段は校則やらなんやらうるさい雲雀さんもこの時は黙認する。

平和だなぁ…

骸と雲雀さんはさっきからノートパソコンを覗いて何やらしてるし。

なんかちょっと前にライオンとシマウマが抱き合うパチンコのCMあったよねぇ…

あんな感じだ…


「YOU TUBEは携帯からも見れますよ。ニコニコ動画は最近の機種でないと駄目なようですが…」

「あ、これ。いいじゃない。」

「撲殺天使…ちょっ、嫌がらせですか!?」

「ってかなんでいっつも君やられる方なの?」

「こっちが聞きたい!」

「あはは、あれ楽しいですよねぇ。俺と雲雀さんとクロームのもあるんですよ。」


俺が携帯を開いてその動画を見せると雲雀さんが吹き出した。

骸は後ろを向いていじけている。


「仕方ないじゃない、君w○tで言うところのウ○ンツ的立ち位置なんだもの。アイドルだけどお笑い系。」

「それ以上言うとグレますよ…」

「ぶっ!!何ですか、これーっ!!」


漫才コンビを余所にパソコン画面を覗き込めば。


『ツナ 受け MAD』


………………


何検索しとんじゃ、われええぇぇ!!!!


「え。だって楽しいじゃない。」

「手書きだと尚無茶が出来ますよ〜。合成もなかなか…」

「そこじゃないし!!」

「オリジナルソングもあるんですよ〜。また歌ってる人が美声でして。」

「聞かせなよ。」

「ムクツナもあるんですがヒバツナのがお気に入りでして。ああ、あった。」

「わ〜!!きゃ〜、ぎゃ〜!!俺がいないとこでして〜!!!!」


俺の声を無視して再生が始まる。

やめて、悶死しちゃうから!!

クッションをひっかぶって耐えること数分。

確かにお上手でしたがっ!!


「おや大丈夫ですか、綱吉くん。」

「そんなに泣かなくてもいいじゃない。確かにいい曲だったけど。」

「もう、あなたとは口きかない…」

「わお!物まね?」


クッションを投げつけたけど避けられた。

くそ〜…


「あと組曲とか。ニコニコ来て組曲聞かないなんて駄目ですよね!!」

「そんなことはないと思うぞ…」

「何それ?」

「いろんなアニメやらゲームやらの曲のいいとこだけ持ってきて10分程度の尺にした曲に各々が歌詞をつけるんですよ。」

「リボーン組曲とかリボラジ組曲とか…みんないろいろ作ってて。
歌詞つける人がいたりそれに合わせて画像つける人とか歌う人とか。」

「ふ。甘いですよ、綱吉くん。これを見るがいい!」

「ふえ?」


骸がたのしそーにキーを打ち最後にエンターを強打した。

…壊れるぞ、それ千種さんのだろ…

俺が画面をのぞき込むと。


『ツナ受け組曲リンク』





………………………







「なんっっじゃこりゃああああああ!?」

「うわおぅ☆今度は太陽に吠えろですね!?」

「お前黙っとけええぇ!!うわ、結構あるし!!」

「あ、これいい。暗黒組曲、歌入り。これさっきオリソン歌ってたのだろ?」

「じゃ、さいせ〜い☆」

「☆つけんな!!やめ〜い!!」


超恥ずかしい!!!!うまいけど!!歌超うまいけど!!

画像手書きでちゃんと骸と俺と雲雀さんマイク持ってるし!!俺の怯え加減の真似うまいし!!

またクッションひっかぶろうとしたら雲雀さんに羽交い締めにされた…

いじめ通り越して拷問だよ!!


「目を瞑ったらあいつと校内放送でライブするよ、暗黒組曲。」

「黒曜でもやりますか。」

「ホント、マジでやめてくださいぃぃ!!!!」









END





ごめんなさいぃぃぃぃ!!!!
だってもうこのパッションを叫ぶ場が無いんだもの!!素晴らしすぎるんだもの、動画サイッ!!
共感を得られた方、スイッチ、オン!!