・ミッションクリア 家に入ると待ってましたとばかりに獄寺くんと千種さんの二人に(一人は家で待ち伏せしてたみたい)部屋に押し込まれた。 何を、と思っていると。 「「お帰り」なさい」 「!!」 骸と雲雀さんがいた。何故かふたりともリボンをつけて。 …どこかで似たようなことがあった気がする。 「た、ただいま。二人ともどうしてここに…」 「見て分かりませんか?」 「プレゼントだよ、君への。」 雲雀さんは頭上の赤いリボンを、骸は首の緑のリボンを指差してそう主張する。 そんな仏頂面で言われましても。 つかなんで嫌ならそんなことをしてるんだ、二人とも… 「君の右腕にやられまして…」 「黒曜の眼鏡にやられた。」 二人とも普段の行いが行いだから天罰がくだったんだ、きっと。 しかしそのとばっちりを何故俺が負わされてるんだろう… 「もっと喜びなよ綱吉。」 「そうですよ。僕らが恥を偲んでこんな物をつけているのに。」 「6/9に羞恥プレイを強要された俺の立場はどうなる。」 全身リボンでぐるぐるされた上に膝だっこで「あ〜ん」とかやらせたよな、お前… ぬいぐるみの幻覚被せられていたとはいえクロームの視線が痛かったぞ、あれ。 「ん?僕もぬいぐるみになればいいですか?」 「中身骸と分かっているものをどう可愛がれと…?サンドバック?」 「じゃあ僕が可愛がってあげるよ、綱吉。さあ、おいで?」 「もうその手には引っかかりませんよ!!」 「可愛がる」も「いじめる」も同類項で括ってポイの雲雀さんだ。 5/5もそう言って日付変更までいじめたくせに!! 「ふ〜…僕のこの深すぎる愛情が分からないなんて子供だね綱吉。」 「できたらこのまま昼ドラの面白さに気付くことなく大人になりたいものですよ…」 俺は手に持っていたブレザーをハンガーにかけると床に腰を降ろした。 本当は着替えたいんだけど…二人を追い出すのもなんだし。 俺がネクタイを外していると両脇に二人が移動してきた。 「……なんですか。」 「綱吉今日が誕生日ってなんで教えてくれなかったの。」 「突然聞かされたので何も用意出来ませんでした。」 「や、だって俺も二人の誕生日知らなかったし…」 肩に顎を乗っけて唸る雲雀さんと背中にぐりぐりと額を押し付ける骸。 …犬か。この二人は。 「…ケーキ食べに行きますか。誕生日はそういうものなのでしょう?」 「行きたいところは無い?今日は群れの中でも我慢してあげる。ゲームセンターでも遊んであげるよ。」 ……………………… 「キューン」って鳴いてもおかしくない感じだ。 いつの間にか骸に背中から抱き込まれて雲雀さんががっちりと腰に抱きついてる。 甘やかされてるってより甘えられてるよね、これ… 二人とも普段「祝う」なんてことしたこと無いんだね。「どうしたらいい?」と俺の反応を伺っている。 大型犬二匹にまとわりつかれてるみたい。 なんか、和む。 「今日はうちに居ます。だからいじめないで、一緒に居てくれたらそれでいいです。」 「分かった。」 「僕はいじめたりしませんよ。」 「自覚ないとこがお前の欠点だよな…」 そういうとまたぐりぐりと額を押し付けられた。 「痛いっての…」 「ねえ。」「あの。」 「…うん?」 密着したまま二人が同時に口を開く。 「誕生日おめでとう、沢田綱吉。」 end(暗黒サンドED)
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