・なんか、フラついてない? なんとか真っ直ぐ歩こうとしてるけど…偶にフラつく足。危なっかしい。 ぐらりと体が大きく傾いだのを見て俺は慌てて獄寺くんに走り寄った。 「獄寺くん!」 「……………10代目?」 反応が鈍い。顔を見上げると真っ青だった。 全く、こんなになってるときに出歩くな! 「朝から…調子悪くて…すみません、連絡しようとしたんですけど…」 「そんな事よりなんでその顔色でフラフラ外歩いたりなんか…!」 額に触れるとすごい熱だ。どさりともたれ掛かる体が重い。 「風邪…引いちまったみたいです…無様ですよね、はは…」 「笑ってる場合じゃないだろ!!」 汗もすごい…一体いつから外に?薄い長袖のシャツしか着てないなんて…悪化したらどうするんだ! 俺は身長差が辛いけど半ば背負うような形で獄寺くんに肩を貸す。 ここからならうちの方が近いよな。 「じゅーだいめ…」 「何?」 「ご自宅はダメです…ちっせーのに伝染ります…」 「!」 そっか。忘れてた。 俺はぐったりとしている獄寺くんを盗み見る。 …優しいなぁ、獄寺くん。自分がこんななのに。なんだかんだ言って面倒見いいよな。 でもうちが駄目となると獄寺くんのマンションに行くしか… 「……………………」 ちょっと遠いけど、頑張る。 忘れてたけどうちに連れてくとビアンキも居るしね…獄寺くんに精神ダメージまで与えちゃ可哀想だ。 俺はもう意識も無くしそうな獄寺くんを背負い直した。 「もう。こんなフラフラなのに一人で出歩いちゃ駄目だろ。今日は安静にしてなよ。」 「すみません…
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