・風紀委員長ゲット!! …とまあ、見事に捕まった僕はこうして綱吉の帰りを待っている訳だ。 全身リボンでぐるぐる巻きにされてね。 くっ…まさか自分がやられるとは…承知したとは言えなかなか屈辱的だよこれ… ガチャ… 「おわおうっ!!」 「…なんて声出してるんだい。」 「ひ、雲雀さん!?これは一体…………あ!まさか千種さんの言ってたプレゼントって…」 「そうだよ、そのまさかだよ…いいからこれ解きなよ。」 「ほ、解いてもいじめないですか?」 「うん。多分。」 「絶対って言って!」 恐る恐る近付いてしゅるしゅるとリボンを解く綱吉。 僕は解かれるまでは大人しく座って待っていたけれど最後の一本が落ちると同時に綱吉をベッドの上に抑え込んだ。 「にぎゃあ〜!!嘘つき!嘘つきぃ!!」 「なんでさ。多分って言ったじゃない。」 「やだぁ!!いじめる気だ!!この人いじめる気満々だよ!!こんな物騒な誕プレやだ〜!!」 じたばたもがく姿が小動物そっくり。 本当にこの子いいなぁ。噛みつきたい。 かぷりと耳を甘噛みしてやると綱吉の肩が大きく揺れた。そしてカタカタと小さく震え出す。 ガブッてやられると思ってるのかな。 「僕がプレゼントで何が不満なの?」 「ふに…」 「そうやって怯えられるとなんかしなくちゃいけない気になるなぁ…ねぇ、綱吉?」 「ひっ!やだっ!やめてください!!」 僕の下から逃げてベッドの隅で小さくうずくまる。涙目でこちらを伺い見る綱吉は怒られた子猫を彷彿とさせる。 「………嘘だよ。」 ふるふるしてる綱吉を抱き上げて膝に乗せる。 本当は泣くまでいじめたいけど今日は我慢。綱吉の誕生日だからね。優しくしてあげる。 ぽんぽんと頭を撫でてやると綱吉がビクビクと僕を見上げる。 「ほら、泣かないでよ。僕がなんの為にあの眼鏡の言うとおり大人しくしてたと思うの。君の誕生日だからなんだよ。」 「ほんとですか…?」 目の縁に溜まっていた涙を嘗めとってやる。こうやってると僕まで猫になったみたいだよ。 手のかかる子猫を向かい合わせに座り直させて顔を覗き込む。 全くそんなきょとんとした顔しちゃって。 あんまり可愛いからちょんと鼻に口づけてやると綱吉は頬を染めて俯いてしまった。 「ね。もう一回聞くよ…?僕がプレゼントじゃ嫌なの?」 「う……」 「いらない?なら帰るよ?」 「だめ…」 「綱吉?」 耳に額に頬に。唇を落としていけば僕のシャツに顔を埋めてしまう。 無理矢理剥がそうとするといやいやと首を振る。 「つーなーよーし。僕じゃ嫌?いらない?帰る?」 「…………いる。」 シャツに埋まったままくぐもった声を出す綱吉。しっかりと僕の学ランを掴んで「逃がさない」といわんばかりだ。 ………可愛い。 腕に細い体を抱き込んで甘い色の髪に唇を寄せる。 「綱吉。」 「…はい?」 「誕生日、おめでとう。」 ふにゃ、と笑う子猫に口付ける。 大事な君に唯一の僕を。 真紅のリボンで飾り付けて捧ぐ。 END(雲雀・真紅ED)
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