・なんか、よろめいてない?






よろめいてる。あれは絶対よろめいてる!

俺は小走りで千種さんに走りよると反対の歩道までその長身を押して歩く。


「…沢田?」

「そうです。って千種さん、顔真っ赤!」


なんだか虚ろな目してるし、息荒いし…これ、まさか。

店のフェンスに千種さんを座らせて額に触れる。すごい熱い!


「今、黒曜風邪流行ってて…」

「なら家で大人しくしててください!フラフラしてるくせに彷徨かない!もう、こんな状態の千種さん放っておくなんて…」

「違う…」

「何が。」


千種さんはだるそうに帽子を脱ぐ。汗で髪が濡れてる。暑いんだろう。

俺は持っていた下敷きでパタパタと千種さんを扇ぐ。


「動けるの俺だけなんだ…」

「…………それってもしかして、全滅ってこと。」

「そうだ。」


クロームは分かるけど犬さんって風邪引くんだ…意外。


「骸様は仕事でいないから無事だ。」

「そう…ってなら尚更千種さん家に居ないと!みんな動けないんでしょう?」


いくら暖かいって言ったって日が暮れれば肌寒くなる。外にいたんじゃ治るものも治らない。

俺は千種さんの腕を引っ張って立たせるとぐいぐいと背中を押して歩く。


「もう!こういう時は安静にするものです!」

「分かってるけど…用があったんだ。」


そう言うと千種さんは



・鞄に手を突っ込んだ。(作成中)



・ズボンのポケットに手を突っ込んだ。(作成中)