DAY4:カントリーローッ!





『結局何時に帰ってくるんだ。』

「えっと…9時は過ぎちゃう…」

『分かった。来るのは沢田だけか?』

「いえ…」

「雲雀恭弥も行きますんで対策しといてくださいね。」

『雲雀……………………………………………………………………分かりました。』

「「……」」


気持ちは分かりますが少し正直過ぎる反応ですよ、千種。

少し声の固くなった千種との電話を切る。

あちらも準備があるでしょうし。

鞄の蓋を閉めて時計を見る。予定より遅くなったな…


「雲雀は。」

「品川で待ってるって。でも木更津行きのバス乗り場雲雀さん知ってたかなぁ?」

「高輪と逆の出口だとだけ伝えておいてください。」

「分かった。」

「さて、行きますか。」

「あ、うん。」


自分のショルダーバッグと綱吉くんのキャリーバッグを持つ。

慌てて鞄を取り返そうとする綱吉くんを無視して階段を降りる。


「骸っ!」

「はいはい行きますよ〜。」

「自分で持てるよ!待ってってば!」

「鍵ちゃんとかけてくださいね〜。」

「あ。って待ってよ!骸!」


カラカラカラカラとキャスターを鳴らしながら足早に歩いていると小走りで綱吉くんが追いかけてきた。


「骸っ!」

「いいですよ、3分の1は土産でしょう。それに君がキャリーを持つともたついて見てられません。」

「うっ…」






品川駅のホームに降り立つ。

約束の時間より30分は早く着いてしまった。


「雲雀さん、今バス乗り場着いたって。」

「!早いですね。」

「『あと5分で着かないと咬み殺す』って言ってる。」

「あンの我が儘大王…走りますよ!」


駅内を走り改札を抜け通路をひた走る。 階段を駆け下りバス乗り場の一番端まで行くとベンチに座り携帯を弄くる雲雀がいた。


「……雲雀。」

「3分47秒。余裕だね。次から3分に縮めようか。」

「……………………」

「骸〜っ!!槍は駄目っ!地獄道発動しないで!!」


手に具現化した三又の剣を見て綱吉くんはぐいぐいと服の背中を掴んで僕を引き止める。

イヤですねぇ、そんなことしませんよ。


「ただちょっと性根を入れ替えて差し上げようかと。」

「!!憑依はダメだぞ!」

「ちがいますよ。ちょっとマインドコントロールして鬼畜有害さをゼロに。」

「行け、骸。」

「いい根性だね綱吉…」


だってその方が世のため並盛の為になると思うんですよ。

そう言うと綱吉くんが大きく頷いた。


「…………」


雲雀が無言でトンファーを構えたと同時に木更津行きのバスが滑り込んできた。


「はいは〜い、行きますよ〜。」

「逃げるな。」

「逃げますよ。」


バタバタと乗り込んでいく二人。

…今日から4日どうなることか。












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