第二話


「これは何。」

「何と言われましても!?」

「言い訳があるなら言ってみなよ。」


何だこの状況!!浮気がバレて彼女に責められる人みたいになってる!?

でもそんなことよりなにより今一番俺が気になることは。


「ひ、雲雀さん…言い訳云々の前に一体どういった経緯でどこからそれを手に入れられたのでしょうか…?」

「ああこれ?六道骸の携帯から赤外線受信したんだよ。」

「にっ!?」


何故!!というか二人共いつの間にそんな仲良しに!?その経緯が聞きたい!!


「無断で。」


無断か〜い!!!!


「集金に言ったらちょっとした闘いになってね。そのまま黒曜までなだれ込む羽目になったんだ。
そこでたまたまヤツの携帯を拾ってね。開いたらなかなかに楽しい待ち受けだったから中を改めさせてもらった。」

「雲雀さん…プライバシーってなんだか知ってます?」


駄目だ、これはいくらなんでもツッコミが声に出る。

酷すぎです、雲雀さん…

骸も骸だ。いくらカピバラ好きだからってそんな画像を後生大事に持ってなくても…実物あるんだから。

まあ仕方ないか…俺が持ってるのも我慢出来なくて抱きついてきた程だし。


「だから僕にも撮らせなよ、写真。」

「え。」

「待ち受けにしてあげるから。」


…正気ですか。


「いいだろ、赤ん坊。今日は咬み殺したりしないから。甘咬みはするけど」

「それならいいぞ。」

「よくないっ!!!!」


なんだ甘咬みって!!

しかし俺の叫びを無視してリボーンはボワンという音と煙を残し消えてしまった。

嘘だろ、二人きりにしないでくれよ!!


「さて。」


唖然としているとゆっくりとこちらを見下ろしてきた雲雀さんと目があった。

ニタリ、と音がしそうな笑みにヒュッと息を呑み込む。

怖いとかじゃない。氷柱を背中に差し込まれたぐらいの悪寒を感じるんですが…

正に蛇に睨まれた蛙。

恐怖に身動きできないでいたらガバッとブレザーをはぎ取られた。

「!!」


次はネクタイに指がかかる。俺は慌てて雲雀さんの腕を抑えた。

何する気だこの人…!!


「何。」

「それはこっちのセリフです!!何すんですかぁ〜!!」

「何って…決まってるだろ?」


ふ、と愉しげな笑みを浮かべる。決まってると言われましても…?

シャツを掴む手を必死に剥がそうと暴れると両手を頭上で抑え込まれてしまう。

ヤバい。なんか知らないけどヤバい。未知の世界に到達しそうなんですが…?

雲雀さんは獲物をなぶる猫みたいな顔で笑うと俺の耳に息がかかる距離まで接近してきた。


「小動物は小動物らしく怯えてればいいんだよ。あんまり反抗的だと…食べちゃうよ?」

「ひぅっ…!!」


あうううぅぅ!!怖いよ、怖いよ!

もうその後俺は抵抗する気も起きずぴしりと固まっているしかなかった。




そして数分後。

応接室にはご満悦な顔で俺を膝に乗せて頬摺りしている雲雀さんと。

円らな瞳の茶色い癒し系ぬいぐるみカピパラさんを模したカピパラパジャマを着せられ呆然とする俺がいた。


…これは一体、どんな状況なんでしょうか!?誰か教えて!!









続く…





←back■next→